KさんのMk2エンジンオーバーホール
その3
その2の続きです。
今回はバルブガイド周辺の作業です。
 洗い終わったヘッドのバルブガイドをステムシール側で折って行きます。
 これで燃焼室に向けてガイドを打ち出せるのでヘッドのガイド穴にカーボンで傷を入れずに済みます。
 
 その2の時に他より突き出ていたバルブガイドの画像が右です。
左の画像の他の部分より、やはり奥に入ってます。ガイドを止めるクリップ部がヘッドにめり込んでます。
ヘッドを熱してガイドを打ち出します。

 左が打ち抜いたガイドです。以前に既に打ちかえされていたらしくガイド穴には傷が有りゆるい状態です。
 右が突き出ていた部分の穴ですが、叩くまでも無く押したら抜けました!これは凄いオイル下がりだったと思
います。(クリップがめり込んでいて取れなかったのでそのまま押してみたら、穴を少し傷つけた?様です)
 他の穴も概ね状態は良くないので、去年思いついた自作のジグを使ってリーマーを通して穴を仕上げます。
(ガンガンやってたら画像撮り忘れました。)
 リーマーは0,1mmずつ太くして傷が消えるまで広げていきます。この作業は本当は専用の固定する台を使
ってフライス盤やヘッド専用加工機等でするものなんですが、当店には残念ながらフライス盤もヘッド加工機も
無いのでこのようにジグを作ってハンドパワー?で仕上げています。


 広げた後はきちんとした円筒形になっているかボアゲージで測定して確認します。(バッチリでした)
当店ではボアゲージは7,5mm〜100mmまで測れる様各サイズを持っています。

 左が打ち込み用のバルブガイドアーバです。ヘッドを熱くしてからこれでガイドを打ち込みます。
 ガイド穴を仕上げてから穴径とガイド外径を測定してクリアランスを合わせて打ち込むので、ヘッドにクラック
は入りません。(この場合のクラックはポートのガイド周辺が割れる事で、プラグホール部ではありません。)
 昔出していた加工屋さんではクラックが入るのはヘッドが古いからだ?と言っていましたが、それだけでも無い
様です。(私もジグを思いつく前はガイド穴が変形したりキズが有ったりで穴径を測っても一定では無いので
どのサイズのガイドを入れるべきか選択に苦労していました。)また、きちんとしたクリアランスで打ち込むと、
バルブステム穴にリーマーを通さないでもほとんど平気になりました。

 打ち込み後です。ガイドの突き出しも同じになりました。ガイドの外径は太い、細いの差が0,5mm程
有りますのでよ〜く見ると、見た目が少し違いますがそれは問題ありません。 プラグホールは1本だけは
ヘリサート加工が必要でした。